肝胆膵第81巻第5号
分子標的治療薬により肝癌の予後は向上したか－シークエンシャル治療の重要性－
電子書籍のみ
- 工藤 正俊（近畿大学）
- 発行日：2020年11月28日
- 〈要旨〉
ソラフェニブの登場により肝細胞癌の治療は新しい時代を迎えた．それでは分子標的治療の登場により進行肝癌患者の予後は向上したのであろうか？ その答えはYESである．これまでいくつかの実臨床のデータが公表されているが，そのいずれもがソラフェニブ1剤でも，あるいは特に最近のようにレゴラフェニブやレンバチニブなどとのシークエンシャル治療により明らかに予後が向上していることが示された．今後，切除，ラジオ波後のアジュバント，TACEなどのコンビネーションなどによりさらに肝細胞癌の予後は向上していくものと考えられる．
詳細
Did molecular targeted therapy improve overall survival in patients with unresectable HCC?
工藤 正俊
近畿大学医学部消化器内科学