肝胆膵第81巻第5号

切除不能肝細胞癌へのPD-1/PD-L1療法不応後二次治療として投与したレンバチニブ逐次治療の有効性

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  • 青木 智子,他(近畿大学)
  • 発行日:2020年11月28日
  • 〈要旨〉
    進行肝細胞癌に対する一次治療は大きな変遷を遂げ,レンバチニブ,ソラフェニブの単剤療法に代わりアテゾリズマブ+ベバシズマブ併用療法が第一選択となった.アテゾリズマブ+ベバシズマブ療法不応となった後の二次治療については,まだ確立されていないが,これまでの一次治療が二次治療へ,二次治療が三次治療へと1ラインずつずれていくことが考えられる.抗PD-1抗体は最終投与から20週が経過してもT細胞に強固に結合していることが報告されており,中止早期の分子標的治療薬投与により相乗効果が期待される.また,βカテニン活性化変異を有する肝細胞癌では抗PD-1/PD-L1抗体に一次耐性を示すが,βカテニン活性化変異とFGFR4発現は強い相関関係にあり,抗PD-1/PD-L1抗体不応後の二次治療薬としてFGFR4阻害活性の強いレンバチニブは効果を発揮する可能性が高い.以上の理論的根拠のもと抗PD-1/PD-L1抗体不応直後にレンバチニブを導入された連続36症例で,その有効性を検討した.結果,PFS中央値10.0か月,OS中央値15.8か月,ORR 55.6%,DCR 86.1%であり,抗PD-1/PD-L1抗体と分子標的治療薬(MTA)併用療法に劣らない治療成績が示された.アテゾリズマブ+ベバシズマブ併用療法に不応の切除不能肝細胞癌の二次治療として,レンバチニブは十分に効果を発揮できる可能性が示された.

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詳細

Efficacy of sequential therapy of lenvatinib in patients with unresectable hepatocellular carcinoma who have failed prior PD-1/PD-L1 checkpoint blockade
青木 智子*1 上嶋 一臣*1 鶴崎 正勝*2 工藤 正俊*1
*1近畿大学医学部消化器内科
*2同 放射線診断科