肝胆膵第81巻第5号

肝細胞癌に対するカボザンチニブの国内第Ⅱ相試験結果

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  • 萩原 淳司(大阪市立大学)
  • 発行日:2020年11月28日
  • 〈要旨〉
    2020年に開催された日本肝臓学会で「抗がん剤による全身治療歴を有する日本人進行性肝細胞癌患者を対象としたカボザンチニブの第Ⅱ相試験(Cabozantinib-2003試験)」の結果が発表されたので報告する.この試験は,1~2次の全身治療歴を有する日本人の進行肝細胞癌患者を対象に,カボザンチニブの有効性と安全性を評価したものである.カボザンチニブ60 mgを1日1回経口投与し,主要評価項目は24週目の無増悪生存率(24w-PFSR)であった.17施設で34例の患者がカボザンチニブを投与され,ソラフェニブ先行群(A群)に20例,ソラフェニブ未投与群(B群)に14例が登録された.24w-PFSRは,A群で59.8%〔90%信頼区間(CI):36.1~77.2〕,B群で16.7%(90%CI:4.0~36.8)であった.無増悪生存期間(PFS)はA群で7.4か月,B群で3.6か月であった.主な有害事象は手足症候群と下痢であった.このことから,カボザンチニブは全身化学療法歴のある日本人の進行肝細胞癌患者において良好な有効性と安全性を有していると考えられた(臨床試験登録:NCT03586973).

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Cabozantinib in Japanese patients with advanced hepatocellular carcinoma: a phase II multicenter study (Cabozantinib-2003)
萩原 淳司
大阪市立大学肝胆膵病態内科