臨床精神医学第49巻第2号
- 特集/精神医学における平成時代の変化と新時代への展望
- 発行日:2020年02月28日
- 〈企画趣旨〉
30年余の平成時代に,精神疾患は大きく変貌を遂げた。これには,疾患の性質が変化した面と,社会の対応が変化した面の両方が関係している。令和という新しい時代に,これらの精神疾患はどうなっていくのだろうか? 本特集では,平成時代に大きな変貌を遂げた疾患について,その変遷を振り返ると共に,今後について展望していただく。
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〈目次〉
わが国の精神医学の来し方行く末を思う─平成から令和へ─ (九州大学)黒木 俊秀
超高齢社会と認知症 (大阪大学)池田 学
平成の自殺対策と令和以降の展望 (札幌医科大学)河西 千秋
サイバー社会におけるメンタルヘルス (明治大学)岡安 孝弘
ジェンダーとトラウマをめぐる今日的課題 (一橋大学)宮地 尚子・他
精神医学におけるゲノム医療─令和時代への展望─ (名古屋大学)木村 大樹・他
依存・嗜癖とその考え方の変化 (東京慈恵会医科大学)宮田 久嗣
統合失調症をめぐる精神科医療の変化─病院から地域,そして早期介入へ─ (東邦大学)根本 隆洋
双極性障害の過少診断と過剰診断 (東京都済生会中央病院)多田 光宏・他
うつ病の診断増加とその要因 (北里大学)橋本 樹
現代社会における抑うつ症候群としての新型/現代型うつ (九州大学)加藤 隆弘・他
不安症における概念の変化─主にパニック症の神経科学的領域に目を向けて─ (赤坂クリニック)貝谷 久宣
平成から令和へ,強迫症の疾患概念における変遷 (兵庫医科大学)松永 寿人・他
睡眠医療の変遷を考える (東京医科大学)井上 雄一
境界性パーソナリティ障害の今後の展望 (帝京大学)林 直樹
自閉スペクトラム症の診断例の増加とその要因 (信州大学)村上 寛・他
研究報告 障害福祉サービス事業所におけるピアサポーターの有無とアウトカムとの関連─前向き縦断研究─ 山口 創生・他