肝胆膵第77巻第3号

ゲノム・エピゲノム異常の視点から

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  • 髙井 淳,他(京都大学)
  • 発行日:2018年09月28日
  • 〈要旨〉
    炎症性発癌は消化器領域で非常によくみられる発癌形態である.肝胆膵領域も例外ではなく,肝細胞癌・胆管癌・膵癌の発生には,背景疾患としてそれぞれ慢性肝炎・胆管炎・慢性膵炎が深く関与していることが知られている.近年,大規模な遺伝子解析を可能とする次世代シーケンサーの登場により,ゲノム・エピゲノム解析が飛躍的に進歩した.その結果,肝胆膵領域の腫瘍組織や慢性炎症組織におけるゲノム・エピゲノム異常の全貌が明らかになりつつあり,炎症を背景とした性発癌機構の一端が少しずつみえてきた.本稿では,肝胆膵の炎症発癌に関連した遺伝子解析の成果を紹介するとともに,ゲノム・エピゲノム異常の視点から肝胆膵領域の炎症性発癌メカニズムについて概説する.

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Genetic/epigenetic aberrations in inflammation-associated hepatobiliary and pancreatic cancers
髙井 淳*1 丸澤 宏之*2
*1京都大学大学院医学研究科消化器内科
*2大阪赤十字病院消化器内科