臨床精神医学第47巻第4号
頻脈・除脈・不整脈
電子書籍のみ
- 浅井 邦也(日本医科大学千葉北総病院)
- 発行日:2018年04月28日
- 〈抄録〉
精神科診療では頻脈,除脈,そしてQT延長とTorsade de Pointes(TdP)に代表される致死的不整脈などの脈拍や心電図の異常を認めることがある。原因として原疾患自体の影響,併存する疾患による脈拍異常,併存疾患に使用している薬剤と様々であるが,多くは向精神病薬による薬剤性である。頻脈の原因薬剤としては,フェノチアジン系抗精神病薬,三環系抗うつ薬は抗コリン作用が強く頻脈をきたす。除脈の原因薬剤としては,三環系抗うつ薬,選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI),リチウムで報告がある。向精神病薬の多くでQT延長とTorsade de Pointesの発生の危険性があり,使用に際しては心リスクの評価と定期的な心電図検査が必要である。
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Tachycardia, bradycardia, arrhythmia
浅井 邦也
日本医科大学千葉北総病院集中治療室