臨床精神医学第52巻第6号
攻撃性とニューロモデュレーション
電子書籍のみ
- 稲川 拓磨・他(国立精神・神経医療研究センター病院)
- 発行日:2023年06月28日
- 〈抄録〉
ニューロモデュレーションは,電磁気による刺激や薬物の投与によって神経活動を修飾し,症状の緩和を図る治療法である。本邦では,うつ病の切迫した希死念慮(内への攻撃性),双極性障害の躁状態や,統合失調症の興奮(外への攻撃性)に対する電気けいれん療法が臨床実践されている。低侵襲で可逆的なニューロモデュレーション療法も近年増えているが,特に攻撃性に対しては,治療効果の検証は十分でない。現状ではエビデンスが乏しいために曖昧な適格基準となる危険性があるため,十分に統制された研究デザインでの臨床試験により安全で臨床的意義の高い治療法が期待される。
詳細
Neuromodulation for aggressiveness
稲川 拓磨*1 野田 隆政*1,2
*1国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター病院
*2国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター脳病態統合イメージングセンター臨床脳画像研究部臨床光画像研究室