臨床精神医学第52巻第6号

当事者として,患者の怒りに関わる─境界性パーソナリティ症患者の攻撃性への治療的関与─

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  • 澤田 恭助・他(慶應義塾大学)
  • 発行日:2023年06月28日
  • 〈抄録〉
    パーソナリティ症,特に境界パーソナリティ症(以下「BPD」とする)の患者と怒りは切っても切れない。怒りを治療対象として捉え,治療の中で積極的に取り扱うためには,BPDの怒りを患者個人に帰すのではなく,それは医療従事者と患者との治療関係の中で生じているという認識をもつことが重要である。本稿は,このテーマについて2人の筆者が議論した内容を素材として構成されている。BPD患者の怒りは,彼らが考えること,理解することのもつ力を信頼することができず,具体的な行為に頼らざるを得ないことを表している側面がある。患者の考えることや理解することへの信頼は,医療従事者と患者との間で生じた怒りを当事者同士でともに振り返り,理解に努める作業を通して培われる。その際,医療従事者は,考えることや理解することの有用性を示すとともに,考えることや理解することへの信頼を体現する役割を果たすことになる。

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詳細

Involve in the patient’s anger as the responsible entity in the relationship -therapeutic involvement in aggression in patients with borderline personality disorder-
澤田 恭助*1 白波瀬 丈一郎*2
*1慶應義塾大学医学部精神・神経科学教室
*2東京都済生会中央病院健康デザインセンター