臨床精神医学第52巻第6号

子どもの攻撃性:反抗挑発症と素行症を中心に

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  • 安藤 久美子(聖マリアンナ医科大学)
  • 発行日:2023年06月28日
  • 〈抄録〉
    児童思春期領域における攻撃性と関連が深い診断名としては,反抗挑発症や素行症がある。これらの障害の診断基準をみるとその内容は問題行動のチェックリストとなっていることから,安易に「非行」と結びつけられやすい。しかし,たとえ同一の「攻撃行動」であっても,その行動を引き起こす背景はさまざまであり,決して均一な集団をみているとは限らない。むしろ,人間の行動には必ず動機や理由があり,そうした部分の分析こそが診断のみならず治療的介入にも重要となってくるものと思われる。本稿では,こうした観点からわれわれが子どもたちの攻撃性を評価するにあたって,どのような点に着目し,診断に結びつけていけばよいのかを考えるために「反抗挑発症」と「素行症」について検討した。現在,これらの診断には生物学的な因子が仮定されつつも未整理な部分も少なくない。今後の知見を期待しつつも,最終的にはどのような診断であっても目の前の子どもひとりひとりに寄り添って検討する姿勢が重要であると思われた。

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Aggression in children: focusing on oppositional defiant disorder and conduct disorder
安藤 久美子
聖マリアンナ医科大学神経精神科学教室