臨床精神医学第51巻第5号
社会生活統計指標からみた自殺死亡率:平成27年のデータをもとにして
電子書籍のみ
- 楠本 みちる
- 発行日:2022年05月28日
- 〈抄録〉
自殺は多くの因子が複雑に関与して起こる事象である。筆者は,国勢調査が実施された平成27年について,全国および都道府県別自殺死亡率(総数,男性,女性)と全国および都道府県別社会生活統計指標との関係を調べた。自殺死亡率を基準変数,社会生活統計指標を説明変数として,共分散構造分析を用いて分析を行った。年間雪日数が「過疎」という潜在変数を介して,人口増減率(%),過疎市町村人口割合(%),自殺死亡率に影響を与えているというモデルを設定した。基準変数の決定係数が高く,かつ適合度指標がおおむね良好であったことから,今回設定した共分散構造分析モデルは,平成27年自殺死亡率(総数)そして平成27年自殺死亡率(男性)を説明するのにおおむね適していたといえる。
詳細
The suicide rate related to social life statistical indicators: Based on the 2015 data
楠本 みちる
三重県こころの健康センター(三重県自殺対策推進センター)