臨床精神医学第51巻第5号
認知症診療における脳神経内科医と精神科医の連携
電子書籍のみ
- 篠原 もえ子・他(金沢大学)
- 発行日:2022年05月28日
- 〈抄録〉
高齢化の進展とともに認知症高齢者が増えている。認知症には多様な疾患・病態が含まれるため,脳神経内科医と精神科医が適切に連携して診断・評価できる体制の構築が求められている。脳神経内科医が対処に難渋するのは幻覚・妄想・興奮といった認知症の行動・心理症状が強い場合や,うつ病およびうつ病性仮性認知症が疑われる場合である。逆に,精神科から脳神経内科へコンサルトを受けるのは認知症に合併したパーキンソニズムの評価や治療に関することや根本的治療が可能な認知症疾患の鑑別に関することが多い。認知症患者が増加するなか,認知症疾患医療センターなどで脳神経内科医と精神科医が連携して地域における認知症の支援体制構築に貢献できることが期待される。
詳細
Cooperation between neurologists and psychiatrists in the diagnosis and treatment of dementia
篠原 もえ子 小野 賢二郎
金沢大学大学院医薬保健学総合研究科脳老化・神経病態学(脳神経内科学)