臨床精神医学第50巻第11号

ADHDの長期的展望

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  • 岡田 俊(国立精神・神経医療研究センター)
  • 発行日:2021年11月28日
  • 〈抄録〉
    注意欠如・多動症(ADHD)は小児における障害として記載されたが,成人期においても持続するケースがあることが知られ,神経発達症として認識されるようになった。複数のコホート研究の結果は成人への連続性に疑問を投げかけたものの,操作的診断基準で診断される一定数は成人期まで明確に持続し,神経学的基盤があることも明確にされつつある。ADHDの存在は,不安や困惑,養育者との軋轢を生じがちであり,発達期における心理的苦悩と関連する。ADHD治療は,うつ病や不安症の併存を減らすことが知られているが,併存症のすべてが二次障害というわけではない。特に成人期になって診断されるADHDでは,ADHDとともに歩んできた本人の生活の工夫や周囲の理解をたどるなどの丁寧な作業が必要になる。また,薬物療法の有効性も新たな心理的揺らぎを伴うことを理解しなければならない。ADHD患者のうち医療的支援を受けているのは少数である。患者の価値観や意向を十分に反映して,患者の自己実現に資する慎ましやかな関わりが求められる。

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Individuals with ADHD in life perspective
岡田 俊
国立精神・神経医療研究センター知的・発達障害研究部