臨床精神医学第50巻第11号

自閉スペクトラム症の長期的展望

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  • 吉川 徹(愛知県医療療育総合センター中央病院)
  • 発行日:2021年11月28日
  • 〈抄録〉
    自閉スペクトラム症はその概念の成立に至る過程の中で,初期の段階より「能力」に関心が向けられていたといえる。近年の社会全体の能力主義化の傾向の中では,自閉スペクトラム症のある人の支援においても,「能力」とどのように向き合っていくかということが,より一層重要な課題となっている。自閉スペクトラム症のある人は,こうした能力主義的規範を内面化しやすいように思われ,これに基づく強い理念への傾倒が生じると,本人に似合う生活を選択することや,継続的な支援を受けることが困難となる場合がある。能力に対する過度の注目を和らげ,支援を受けることをも肯定できる価値観を持てるように本人や家族を支援していくことは,長期的な予後の改善に有用である。また筆者は義務的な就労から,権利としての就労,選択肢としての就労への社会全体のパラダイムシフトが,自閉スペクトラム症のある人の生活の質の向上に資するのではないかと考えている。

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吉川 徹
愛知県医療療育総合センター中央病院子どものこころ科(児童精神科)