臨床精神医学第50巻第11号
統合失調症の長期的展望
電子書籍のみ
- 吉村 直記・他（国立精神・神経医療研究センター）
- 発行日：2021年11月28日
- 〈抄録〉
統合失調症患者の多くは若年に発症し，長期にわたる病期が精神面のみならず，身体，社会的な面にも大きな影響を与える。身体面では，一般集団とのmortality gapや高い自殺率などが生命予後を悪化し得る。精神および社会面の転帰の評価には，「寛解」や「回復」などの概念が近年用いられ，患者自身（personal-oriented）の体験の改善など，個人的な側面が注目されつつある。一方，薬物療法と心理社会的治療法が併用される現在においても，寛解や回復に至る患者が多いとはいい難い。本稿では，統合失調症におけるこれらの課題について，長期的な視点から概説した。
詳細
Long-term perspectives of schizophrenia
吉村 直記＊1 和田 歩＊1,2 住吉 太幹＊2
＊1国立精神・神経医療研究センター病院
＊2国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所