臨床精神医学第50巻第11号

ライフステージ論からみたパーソナリティ障害の治療

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  • 林 直樹(西ヶ原病院)
  • 発行日:2021年11月28日
  • 〈抄録〉
    パーソナリティ障害(PD)は,その人の人生における苦悩・問題という側面が特に際立っている精神障害である。PD患者の問題は,発達期からその兆候がみえ始め,青年期に顕在化し,それ以降のライフステージへと引き継がれる。そこでは,PD患者の内面的な苦悩や対人(社会)関係における問題が,ライフステージごとに構成される個人・環界の関わりの下で変化し,次のライフステージにおいて新たな展開を遂げるという過程が進行する。その例は,青年期に同一性拡散の状態にあった境界性PD患者が定型的でない社会参加を開始するとか,独自の秩序の中で生きてきた強迫性PDや妄想性PDの人が自立を果たした子どもとの対立から生き方の変更を迫られるといったケースである。このような過程からは,ライフステージがPDの苦悩・問題が発生する場であると同時にそれから脱する機会を得る場ともなることが確認できる。このライフステージごとの個人・環界の構成を理解することは,PD治療に有益な視点をもたらしてくれる。

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Life-stage perspective on the treatment for patients with personality disorders
林 直樹
西ヶ原病院