肝胆膵第84巻第3号
慢性膵炎に対する内視鏡的治療:いつまで行う? 無症状例に行う?
電子書籍のみ
- 中井 陽介,他(東京大学)
- 発行日:2022年03月28日
- 〈要旨〉
膵石・膵管狭窄を合併した慢性膵炎による疼痛に対しては,ERCPを用いた膵石除去・膵管ステント留置などの内視鏡治療が第一選択となることが多いが,長期成績では外科治療が優れているという報告も多い.慢性膵炎がより進行した状態では,外科治療の成績も低下することが報告されており,内視鏡治療不応例に対して外科治療へ移行するタイミングを逃さないことは重要である.また疼痛を伴わない膵石・膵管狭窄に対して,長期的な膵機能温存を企図した早期介入についても,近年注目はされているものの,画像的に膵実質が温存されるという報告はあるが,膵機能温存のデータはないため,積極的に推奨されるものではない.
詳細
Endotherapy for chronic pancreatitis: when to stop? indicated when asymptomatic?
中井 陽介*1,2 白田 龍之介*1,2 石垣 和祥*2 斎藤 圭*2 斎藤 友隆*2 濱田 毅*2 高原 楠昊*2 水野 卓*2 木暮 宏史*2 藤城 光弘*2
*1東京大学医学部附属病院光学医療診療部
*2東京大学医学部消化器内科