肝胆膵第84巻第3号
重症度判定基準の課題-造影CTは必要か,新規重症度バイオマーカー,IL-6なども交えて-
電子書籍のみ
- 横江 正道(愛知医療センター名古屋第二病院)
- 発行日:2022年03月28日
- 〈要旨〉
急性膵炎の診療は時代とともに進化し,厚生労働省重症度判定基準も変化し,そして急性膵炎診療ガイドラインも改訂を重ねてきた.その進化の結果,重症急性膵炎の致命率は低下傾向にあるが,いまだ死亡例が存在することから適切な診療が求められることに異論はない.9つの予後因子からなるスコアリングと造影CTによるCTgrade分類により,重症と判定された場合には死亡する可能性があると思って対処しなくてはならない.たとえ,入院時に軽症でも重症化するケースは後を絶たない.だからこそ,繰り返し判定することをガイドラインも推奨している.最初の48時間は予断を許さず全力投球である.IL-6などを用いることができる施設では参照とすべきである.
詳細
The present status of severity scoring system of acute pancreatitis in Japan with new biomarker including IL-6
横江 正道
日本赤十字社愛知医療センター名古屋第二病院総合内科