臨床精神医学第49巻第5号
うつと認知症予防
電子書籍のみ
- 下田 健吾・他(日本医科大学千葉北総病院)
- 発行日:2020年05月28日
- 〈抄録〉
高齢者うつ病は認知症とともに頻度の高い疾患である。極期に認知症の症状を呈するものを仮性認知症(pseudo dementia)と呼んでいたが,近年,仮性認知症を呈したうつ病の予後をみると5 ~ 7年以内に7割以上の患者が認知症に移行しており,うつ病性仮性認知症はむしろ認知症の前駆症状ではないかと議論されている。認知症においても初期症状として高頻度でうつ病がみられることから,認知症発症前からの時間経過を念頭におき,前駆症状あるいは併発したうつ病の存在の背景にあるものを念頭におく必要がある。うつ病は生活習慣病を上回る重大な認知症発症の危険因子であり,直近のうつ病エピソードやうつ病エピソードの反復はより認知症への移行リスクが高い。うつ病から認知症に移行する病理学的関連性はいくつか判明しており,治療的には薬物療法のみならず生活習慣病や関連するライフスタイルの改善を含む統括的治療介入が認知予備力低下に対して予防的効果があると考えられる。
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Intervention for depression to prevent conversion to dementia
下田 健吾 木村 真人
日本医科大学千葉北総病院メンタルヘルス科