臨床精神医学第49巻第5号
脂質異常症と認知症予防
電子書籍のみ
- 櫻井 博文・他(東京医科大学)
- 発行日:2020年05月28日
- 〈抄録〉
脂質異常症は認知症の危険因子の一つと考えられている。血管性認知症は脳卒中の発症と再発予防が重要で,スタチンによる脳卒中発症リスクの低減が示されているが,スタチンによる血管性認知症の予防効果はみられていない。中年期の高コレステロール血症がアルツハイマー病(Alzheimer's Disease: AD)発症のリスクを上昇させることが報告されている。スタチンの投与がADの発症抑制に有用か否について結論は得られていない。最近,多数の疫学研究のメタ解析では,スタチンがADの発症リスクを低減させる可能性が示唆されている。高コレステロール血症がADに影響する機序として,ADの病理変化の促進や,動脈硬化促進を介しての脳虚血や脳循環障害が影響する可能性が指摘されている。
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Lipid abnormality and the prevention of dementia
櫻井 博文 羽生 春夫
東京医科大学高齢総合医分野