臨床精神医学第49巻第5号
高血圧と認知症予防
電子書籍のみ
- 熊谷 亮・他(下総病院)
- 発行日:2020年05月28日
- 〈抄録〉
日本人にとって,高血圧は国民病ともいえる存在である。中年期の高血圧が認知症の危険因子とされる報告が認められており,特に血管性認知症は高血圧が脳卒中の危険因子であることからも強い関連がうかがわれる。近年では,高血圧とアルツハイマー病の関連性も指摘されるようになってきているが,疫学研究では一致した結果が出ていない。また,老年期の低血圧も認知症との関連が指摘されている。降圧剤治療が認知症の予防になることも期待されているが,降圧剤の種類などによっても異なる結果が出ており,十分なエビデンスはいまだに出ていない。2019年に日本高血圧学会が発表したガイドラインでは,高齢高血圧患者の認知機能保持を目的とした降圧剤治療のエビデンスレベルをCとしている。生活習慣の改善は高血圧の治療には必須だが,運動習慣をつくることは血圧の安定だけでなく認知症の予防にもなることが示唆されているため,特に重視したい。
詳細
Hypertension and prevention of dementia
熊谷 亮*1,2 一宮 洋介*2
*1 医療法人社団踏青会下総病院
*2 順天堂大学医学部附属順天堂東京江東高齢者医療センター