臨床精神医学第49巻第4号

レビー小体型認知症(Dementia with Lewy Bodies: DLB)における認知機能変動─ Short Fluctuations Questionnaire(SFQ)得点で評価した重症度と関連する要因の検討─

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  • 小林 健太・他(新潟医療福祉大学医療技術学部言語聴覚学科)
  • 発行日:2020年04月28日
  • 〈抄録〉
    【目的】レビー小体型認知症(DLB)における認知機能変動の重症度と他の要因との関係を検討する。【対象】臨床診断されたDLB 47症例。【方法】Short FluctuationsQuestionnaire(SFQ)得点で認知機能変動の重症度を評価し,認知機能属性および神経精神症状との関係を相関分析で検討した。【結果】SFQ得点とNPIの妄想全体,被害妄想,誤認妄想,幻覚全体で絶対値0.3以上の相関係数が得られた。【考察】DLBの注意障害型や失見当型の認知機能変動が幻覚や妄想と関係があることが示唆され,その機序として2つの図式が考えられた。第一に,注意障害型の認知機能変動におけるせん妄が幻視を生じさせ,失見当型の認知機能変動における誤認や記憶錯誤が誤認妄想や被害妄想と評価されやすい状態をきたした可能性がある。第二に,DLBは大脳新皮質,辺縁系,前脳基底部から脳幹まで,多様な部位に病理学的変化を呈するが,このうちの特定の部位の変性と機能低下が認知機能変動と幻覚や妄想の共通の基盤となっている可能性がある。

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詳細

Factors associated with the severity of cognitive fluctuations in Dementia with Lewy Bodies (DLB): a study using score of Short Fluctuations Questionnaire (SFQ)
小林 健太*1 小関 翔子*2 加藤 梓*1,3 佐藤 卓也*4  今村 徹*1,3,5
*1 新潟医療福祉大学医療技術学部言語聴覚学科
*2 金沢脳神経外科病院リハビリテーション部
*3 新潟医療福祉大学大学院医療福祉学研究科保健学専攻言語聴覚分野
*4 SATO Takuya 新潟リハビリテーション病院リハビリテーション部言語聴覚科
*5 新潟リハビリテーション病院神経内科 * 現籍 総合リハビリテーションセンターみどり病院リハビリテーション部言語聴覚療法部門