肝胆膵第82巻第6号
膵嚢胞性腫瘍に対するEUS-guided tissue acquisitionの適応
電子書籍のみ
- 中井 陽介,他(東京大学)
- 発行日:2021年06月28日
- 〈要旨〉
膵嚢胞性腫瘍に対するEUS-FNAの適応とその位置づけは,レベルの高いエビデンスも少ないことから,複数存在する膵嚢胞性腫瘍のガイドラインにおいても異なる.本邦ではほとんど行われていないのに対して,海外ではEUS-FNAによる嚢胞液CEA,細胞診検査による診断が日常臨床として行われてきたが,詳細な画像診断を行ったうえで,EUS-FNAの結果が治療方針の決定にどれほど寄与するかについての報告は限られていた.最近では19G FNA針に挿入可能なMicroforcepsが開発されEUS-guided through-the-needle biopsy(EUS-TTNB)という新しい手技が海外では広まりつつあり,嚢胞壁の組織検体を採取することで,これまでのEUS-FNAでは困難であった悪性度の診断まで期待されており,粘液性・非粘液性の鑑別だけでなく,切除適応の決定に寄与することが期待されている.
詳細
Indications of EUS-guided tissue acquisition for pancreatic cystic neoplasms
中井 陽介*1,2 白田 龍之介*1,2 石垣 和祥*2 斎藤 圭*2 斎藤 友隆*2 濱田 毅*2 高原 楠昊*2 水野 卓*2 木暮 宏史*2 小池 和彦*2
*1東京大学医学部光学医療診療部
*2東京大学医学部消化器内科