肝胆膵第82巻第6号
単施設多症例によるIPMNの長期予後
電子書籍のみ
- 大山 博生,他(東京大学)
- 発行日:2021年06月28日
- 〈要旨〉
当院における分枝型IPMN経過観察中の膵癌(IPMN由来癌およびIPMN併存癌)の累積発症率は,5年で3.3%,10年で6.6%,15年で15.0%であり,標準化罹患比は10.8にのぼった.IPMN由来癌はIPMN診断時の嚢胞径,主膵管径がいずれもリスク因子となるが,IPMN併存癌は嚢胞径や主膵管径にかかわらず発症するという特徴があり,IPMNは定期的な画像検査での経過観察が望ましい.経過観察期間についてはガイドライン間でも推奨が異なるが,5年以上の長期経過観察中に発癌する症例は少なくないため,切除が可能な全身状態であればフォローアップを継続することが推奨される.
詳細
Long-term prognosis of brunch-duct IPMN: a single-center study
大山 博生 濱田 毅 中井 陽介 立石 敬介
東京大学医学部附属病院消化器内科