肝胆膵第82巻第6号
Worrisome feature 非切除例の長期予後
電子書籍のみ
- 加藤 博也,他(岡山大学)
- 発行日:2021年06月28日
- 〈要旨〉
IPMNに関するWFが2012年に考案され,2017年には新たな項目も加わった.WF症例は結節の評価,病変の進展,膵液の細胞診を行い,それらに問題がなければ経過観察が推奨されるが,それに伴いWFの長期成績,発癌率が問題となる.最近の報告をまとめると5年生存率は90%を超え,発癌率は5年で5%程度と考えられ,良好な予後が予測されるが,症例数,経過観察期間はいまだ不十分であり,今後の報告が待たれる.また,WFのなかでも長期予後,発癌により関連のある因子の解析がなされつつあるが,いまだ報告は少ない.WFの長期予後,発癌率,さらにそれに関わる因子を同定することがIPMNの予後延長につながると考えられ,今後検討していく必要がある.
詳細
Long-term outcomes without surgical procedure of patients affected with intraductal papillary mucinous neoplasm with worrisome feature
加藤 博也*1,2 山崎 辰洋*1 友田 健*1 田中 健大*2 岡田 裕之*1
*1岡山大学病院消化器内科
*2同 病理診断科