肝胆膵第78巻第3号
難吸収性抗菌薬−リファキシミンの有効性・安全性−
電子書籍のみ
- 村田 礼人,他(順天堂大学医学部附属静岡病院)
- 発行日:2019年03月28日
- 〈要旨〉
肝硬変患者における肝性脳症発症の原因となる主要な神経毒性物質はアンモニアであり,腸管内における腸内細菌のウレアーゼによる尿素の分解は,体内でのアンモニア産生の一因である.肝性脳症の治療薬として,アンモニア産生菌の抑制を目的に抗菌薬の投与が行われてきた.近年本邦でも使用可能となったリファマイシン系抗菌薬の一つであるリファキシミンは,広い抗菌スペクトルと腸管難吸収性であるという特徴を有し,肝性脳症治療における有用性が期待されている.実際,各種臨床試験において肝性脳症の再発抑制,血中アンモニア低下効果,神経学的検査所見の改善効果とともに優れた安全性プロフィールが確認されている.
詳細
The efficacy and safety of rifaximin for the treatment hepatic encephalopathy
村田 礼人 玄田 拓哉
順天堂大学医学部附属静岡病院消化器内科