肝胆膵第78巻第2号
わが国における2 型AIPは本当に少ないのか− IBD合併例やIgG4陰性例を含めて−
電子書籍のみ
- 植木 敏晴,他(福岡大学筑紫病院)
- 発行日:2019年02月28日
- 〈要旨〉
アジアでは2型自己免疫性膵炎(autoimmune pancreatitis:AIP)が少ないとされてきたが,AIP全体に占める2型の割合は西欧が43%,アメリカが26%,韓国が29%,日本では36%であった.わが国では,食文化の欧米化に伴い炎症性腸疾患(IBD)患者が増加している.2 型AIPは30〜50%にIBDを合併する.わが国では欧米に比し,膵切除例が少ないため診断が困難であるが,生検材料で十分な膵組織が得られれば,日本を含めてアジアにおいてもAIPに占める2型の割合は欧米と同程度であると考えられる. AIPに占める2型の割合はおおむね30 〜 50%と思われる.また,2型AIPに関する種々の研究がなされているが,現在までに2型AIPの診断に有用な特異的バイオマーカーは発見されていない.
詳細
The actual condition of type 2 autoimmune pancreatitis in Japan, including complicated inflammatory bowel disease or serum IgG4-negative patients
植木 敏晴*1 丸尾 達*1 永山 林太郎*1 土居 雅宗*1 畑山 勝子*1 伊原 諒*1 平塚 裕晃*1 麻生 頌*1 平井 郁仁*2 八尾 建史*3
*1福岡大学筑紫病院消化器科
*2同 炎症性腸疾患センター
*3同 内視鏡部