臨床精神医学第45巻第7号

自己肯定感の危機にある子どもにわれわれはなにができるか

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  • 渡辺 久子(渡邊醫院)
  • 発行日:2016年07月28日
  • 〈抄録〉
    高度に工業化した日本で今,自己肯定感をもつ子が育ちにくくなっている。子どもの貧国,被災,虐待,DV,性被害,いじめなどは,全国に蔓延する子どもの閉塞状況の氷山の一角にすぎない。家族機能不全と地域の養育機能低下が進み,子どもの健やかな発達に不可欠な一家団欒や,わくわく遊べる時間,場所,仲間が不十分である。乳幼児精神保健研究は,乳児が間主観性という,相手の心の意図や本音をみぬく力を生まれ持つことを明らかにしている。自己肯定感は乳幼児期から子どもがあるがままの自分として理解尊重され,発達段階に適した活動を与えられる中で育まれる。子どもらしい遊びと甘えが乏しく,周囲の大人の葛藤や緊張にさらされるとき,子どもは自己否定感を抱くようになる。昔日本は子どもを大切にする国であった。今再び大人の親ごころを結集し,国全体で,乳幼児期から子どもが瞳を輝かして暮らせる日本社会を造りなおす必要がある。

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What can we do to help children who are facing a crisis of self-esteem?
渡辺 久子
渡邊醫院