臨床精神医学第53巻第4号

自己免疫性脳炎 総論

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  • 田中 惠子(新潟大学)
  • 発行日:2024年04月28日
  • 〈抄録〉免疫性炎症による中枢神経疾患には,全身性自己免疫病に伴う脳炎・脳症と,中枢神経を一義的に炎症の場とする自己免疫性脳炎がある。自己免疫性脳炎では,悪性腫瘍が密接に関連する傍腫瘍性神経症候群と原発性自己免疫病としての自己免疫性脳炎がある。両者とも,病型特異的な診断に有用な自己抗体が検出される。腫瘍合併頻度が高い脳炎で検出される自己抗体の多くは,神経組織の細胞内蛋白を認識し,神経症状自体には直接関与しない。一方,自己免疫性脳炎で検出される,神経細胞シナプス受容体やチャネル蛋白,髄鞘膜蛋白などに対する抗体は直接神経症状に関わる。近年新たな抗体が次々に明らかになり,自己免疫性脳炎の臨床病型は大きく拡大している。急性・亜急性発症の精神病様症状,認知機能低下,睡眠障害,けいれん発作などを呈し,既知の疾患とは異なる臨床的特徴を有する場合は,検査用の検体を保存したうえで,早期に免疫的な治療を開始することが推奨される。

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Autoimmune encephalitis: a review
田中 惠子*1,2
*1新潟大学脳研究所モデル動物開発分野
*2福島県立医科大学多発性硬化症治療学講座