臨床精神医学第53巻第4号

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  • 特集/精神疾患と神経炎症
  • 発行日:2024年04月28日
  • <企画趣旨>
    近年,神経系や全身の微弱な炎症と精神疾患の関係が徐々に明らかになってきている。神経炎症や全身の炎症が著しい場合は神経内科疾患・内科疾患として認識されるが,炎症が微弱であったり,炎症に関連した分子カスケードや細胞が関わりながらも,臨床的には神経炎症・全身炎症にまでは至らない形で精神疾患の病態が形成される場合があり得ることが指摘されるようになった。本特集では,炎症を引き起こす分子・細胞の場として自己抗体や神経細胞・ミクログリア・免疫細胞に着目し,精神神経疾患・症状としてうつ病,統合失調症,認知症,疼痛,食行動異常を取り上げ,それらとストレスや腸内細菌との関係も含めて,基礎研究から精神科臨床まで幅広い角度から最新の研究成果を紹介しつつ,臨床精神科医が知っておくべき内科疾患と精神・神経症状の関連として,膠原病内科,内分泌内科,神経内科のご専門の先生方にもご執筆いただく。

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<目次>
多様な性質をもつミクログリアと精神疾患との関連性 鳥取大学 岩田 正明
ヒト血液単球由来ミクログリア様細胞を用いたリバーストランスレーショナル研究 九州大学 久良木 聡太・他
ストレスによる炎症応答における末梢・中枢のクロストーク 神戸大学 谷口 将之・他
肥満,インフラムエイジングからフレイルへ 鹿児島大学 乾 明夫・他
慢性ストレスによる炎症疾患の増悪機構 北海道大学)村上 薫・他
ミクログリアの多面的作用 名古屋大学 竹田 育子・他
うつ病と血液脳関門機能低下 日本医科大学 松野(鈴木) 仁美・他
認知症における神経炎症の可視化と治療制御 量子医科学研究所 樋口 真人
膠原病と COVID-19に伴う精神症状 東京医科歯科大学 小宮 陽仁・他
橋本脳症と精神疾患 福井大学 松永 晶子・他
自己免疫性脳炎 総論 新潟大学 田中 惠子
神経障害性疼痛と自己抗体 九州大学 賀集 薫・他
自己免疫性精神病総論 精神疾患 岡山大学 髙木 学・他
統合失調症の新規シナプス自己抗体 東京医科歯科大学 塩飽 裕紀