臨床精神医学第52巻第12号
日本における医療DXとメンタルヘルス領域での活用に向けて
電子書籍のみ
- 滋野 界・他(日本医療政策機構)
- 発行日:2023年12月28日
- 〈抄録〉
情報の電子化にはじまった日本の保健医療分野におけるデジタル化(医療DX)は,国民の健康増進・医療の効率化・人材の有効活用・次世代への示唆を探求することなどを目指し現在も進められている。医療DXの必要性は,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)により国民の多くが認識することとなった。近年では,2022年6 月「経済財政運営の改革と基本方針2022」において,「全国医療情報プラットフォームの創設」,「電子カルテ情報の標準化等」,「診療報酬改定DX」の取り組みが打ち出されている。メンタルヘルス領域においては,誰もが所有するデバイス(スマートフォン等)から治療やケアが可能な仕組みの整備も相まって,デジタル化との相性がよい領域とされている。システム連結やケア提供者と患者の信頼関係についてなど一部課題はあるものの,デジタルの利便性を十分に理解・活用し,リアルとデジタルのハイブリッドケアを実現していくことが,メンタルヘルス領域における医療DXとして期待されている。
詳細
Towards the utilization of healthcare DX and mental health in Japan
滋野 界 乗竹 亮治
日本医療政策機構