臨床精神医学第52巻第10号
SBIRTS のギャンブル障害に対する転用の有効性
電子書籍のみ
- 常岡 俊昭・他(昭和大学附属烏山病院)
- 発行日:2023年10月28日
- 〈抄録〉
ギャンブル障害の治療には医療と自助グループの連携が重要で,アルコール依存症ではSBIRTSという初診時に医者が患者に自助グループ参加者との電話を勧め,直接自助グループに誘ってもらう仕組みが内包されたシステムが作られ効果を上げている。ギャンブル障害にも転用が可能かを調査した。【対象と方法】2017年4 月1日から2020 年12月31日までに昭和大学附属烏山病院の初診外来を受診した患者のうち,ICD-10によって病的賭博(F63)と診断された自助グループに参加歴のない者を対象とした。SBRITS導入前後での自助グループへのつながりを調査した。【結果】対照群では15名中3 名(20.0%),SBIRTS期群では22名中12名(54.5%)が自助グループへ参加し有意差を認めた(p = 0.04)。【考察】アルコール依存症治療に用いられているSBIRTSはギャンブル障害にも効果を認める可能性が示唆された。
詳細
Effectiveness of diversion of SBIRTS for gambling disorders
常岡 俊昭*1,2 杉沢 諭*3 田中 紀子*4 中村 純子*5 山本 和弘*6 塚越 拓美*1
*1昭和大学附属烏山病院
*2昭和大学医学部精神医学講座
*3昭和大学薬学部病院薬剤学講座
*4公益社団法人ギャンブル依存症問題を考える会
*5医療法人財団青溪会駒木野病院薬剤科
*6昭和大学横浜市北部病院