臨床精神医学第52巻第4号
統合失調症治療におけるニューロモデュレーションの役割
電子書籍のみ
- 浅田 愼太郎・他(慶應義塾大学)
- 発行日:2023年04月28日
- 〈抄録〉
統合失調症は100人に1人が発症する難治性精神疾患である。現在の統合失調症治療におけるゴールドスタンダードは抗精神病薬を用いた治療であるが,全体の10 ~ 30%は治療抵抗性を示すことが知られている。また,社会的機能障害の原因になり得る陰性症状や認知機能障害に対しては抗精神病薬の効果は極めて限局的であることも知られている。近年,統合失調症の新規治療法としてニューロモデュレーションが着目されている。本稿では代表的な4つのモーダリティについて概説を行い,統合失調症が呈する各症状に対するニューロモデュレーションの治療反応や先行研究について概説を行う。また,近年注目を浴びているLesion Network Mappingを用いた新規治療などについても簡単に説明を行い,最後に統合失調症におけるニューロモデュレーションの展望と課題について付け加える。
詳細
Role of neuromodulation in the treatment of schizophrenia
浅田 愼太郎 中島 振一郎
慶應義塾大学病院精神・神経科