臨床精神医学第52巻第4号

統合失調症の疫学─正しい有病率の推計への試みも含めて─

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  • 太田 充彦・他(藤田医科大学)
  • 発行日:2023年04月28日
  • 〈抄録〉
    統合失調症に関する最近の疫学知見を概説する。有病率は1%よりやや低い数値が報告されている。予後に関しては,全死因では約3倍,自殺に限れば約10倍死亡リスクが高くなることや,障害生存年数(YLDs)が20年,障害調整生存年数(DALYS)が42年になることが報告されている。治療効果に関しては,近年のメタアナリシスでは抗精神病薬が統合失調症の急性期症状を改善し,再入院率や死亡率を下げる可能性が示されている。精神病未治療期間(DUP)が長い者では生活の質(QOL)が低いことも示されている。令和2年(2020年)の患者調査では,日本の統合失調症の入院患者数は14.3万人,そのうち入院期間が3年以上の者が56.6%を占めていることが明らかとなった。日本における統合失調症有病率をより正確に推計するための筆者らの試みも併せて紹介する。

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Epidemiology of schizophrenia and attempt at the estimation of the correct prevalence
太田 充彦*1 松永 眞章*1 Yupeng He*1 岸 太郎*2 佐久間 健二*2 李 媛英*3 谷原 真一*4 岩田 仲生*2
*1藤田医科大学医学部公衆衛生学講座
*2藤田医科大学医学部精神神経科学講座
*3名古屋大学大学院医学系研究科国際保健医療学・公衆衛生学
*4久留米大学医学部公衆衛生学講座