臨床精神医学第52巻第3号

摂食障害のゲノム研究

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  • 久島 周・他(名古屋大学)
  • 発行日:2023年03月28日
  • 〈抄録〉
    摂食障害の中でも神経性やせ症は十分な治療法が確立されておらず,死亡率が高いことが報告されている。その脳病態についても不明の点が多く,研究方法も限られているのが現状である。疫学研究からは摂食障害の発症に遺伝要因が関与することが示唆され,ゲノム解析技術の発展を背景に,発症リスクに関わるゲノムバリアントの探索が進められている。本稿では,バリアントの中でも,一塩基多型(SNP)とゲノムコピー数バリアント(CNV)の研究について紹介する。これらゲノム研究から摂食障害(神経性やせ症)と他の精神疾患には遺伝要因の共通性が存在することが示されている。筆者らが行ったCNV研究では,シナプス関連遺伝子にバリアントが集積し,その機能障害との関連性が示唆された。今後,大規模なゲノム解析によって摂食障害の遺伝要因がさらに明らかになり,モデル生物の解析を通じて,病態の理解が得られることが望まれる。

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Genetic studies of eating disorders
久島 周* 1,2 田中 聡*3,4 今枝 美穂*1,5
*1名古屋大学医学部附属病院精神科
*2名古屋大学医学部附属病院ゲノム医療センター
*3独立行政法人国立病院機構東尾張病院
*4名古屋医療センター臨床研究センター
*5名古屋大学医学部附属病院化学療法部