臨床精神医学第52巻第3号

摂食障害の疫学

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  • 安藤 哲也(国際医療福祉大学)
  • 発行日:2023年03月28日
  • 〈抄録〉
    本稿では「食行動障害および摂食障害群」(FED)の疫学について最近の欧米の一般人口集団での知見を中心に述べ,わが国での医療機関,学校での疫学・統計も示した。欧米の一般人口の摂食障害(ED)の女性の生涯有病率は5%前後,男性で1%前後である。有病率の女性/男性比は神経やせ症(AN)で最も大きく,過食性障害(BED)で最も小さい。ANはほとんどが30歳までに発症するが,BN,BEDは30歳以降の発症も少なくない。発症のピークは10 代である。エピソード期間はANの半数が5 年以上,BNの半数が8 年以上,BEDの半数が11年以上であった。ANは約6 倍,BNは約2倍一般人口に比べて死亡リスクが高い。食行動障害(FD)の疫学研究は少ないが小児の1 ~数%に臨床レベルのFDが報告されている。わが国では一般人口集団での調査が行われていない。FEDの予防,治療,医療・支援体制整備等の対策のため,わが国でも一般人口での頻度や関連要因を明らかにすることが必要である。

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Epidemiology of eating disorders
安藤 哲也*1,2
*1国際医療福祉大学医学部心療内科学
*2国際医療福祉大学成田病院心療内科