臨床精神医学第52巻第3号
神経性やせ症に対する栄養療法
電子書籍のみ
- 山崎 允宏(東京大学)
- 発行日:2023年03月28日
- 〈抄録〉
神経性やせ症患者において栄養療法は,身体合併症からの回復のみならず,心理的異常や認知機能障害からの回復のために必須の治療と考えられている。栄養療法初期の重要な合併症として再栄養症候群があり,その予防をめぐって投与カロリーに関する議論がこれまでなされてきた。一方で,どのような栄養組成が望ましいかは明らかになっていなかったが,近年,栄養組成に関する臨床的なエビデンスも蓄積されつつある。本稿では,再栄養症候群について概説し,神経性やせ症患者の栄養療法に関する最新のエビデンスおよび2022年に公開された重要なガイドラインであるMEED(Medical Emergencies in Eating Disorders:Guidance on Recognition and Management)について紹介する。
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Nutritional rehabilitation for patients with anorexia nervosa
山崎 允宏
東京大学医学部附属病院心療内科