臨床精神医学第52巻第3号

神経性やせ症の脳画像研究─低体重,食行動異常,やせ願望に関する研究動向─

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  • 野田 智美(京都大学)
  • 発行日:2023年03月28日
  • 〈抄録〉
    神経性やせ症(anorexia nervosa:AN)は,低体重の維持,拒食や過食嘔吐などの食行動異常などによって特徴づけられる摂食障害の一分類である。死亡率の高い深刻な病態であるが,治療法の確立は十分でない。また,神経性やせ症患者のもつ強いやせ願望は,治療抵抗,治療離脱につながることも少なくない。このような神経性やせ症治療を取り巻く現状の中で,この疾患の脳病態生理を明らかにすることが,病態理解および治療法の開発に向けて大きな手がかりとなる可能性がある。この30年ほどで神経性やせ症を対象として磁気共鳴画像(magnetic resonance imaging:MRI)を用いた脳画像研究の知見が積み上げられてきている。また,撮像方法や解析手法の発展により,体積,皮質厚,白質路などの脳構造や,機能的磁気共鳴画像(functional magnetic resonance imaging:fMRI)による局所の脳活動およびネットワーク構造の検討などが可能になっている。さらに近年では,治療介入の効果を脳活動の変化から客観的に捉えようとする試みもなされている。そこで本稿では,ANの中核的特徴である,低体重,食行動異常,やせ願望を取り上げ,脳構造,脳機能,ネットワークおよび介入効果などにおける研究動向を概観する。

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Neuroimaging of anorexia nervosa: research trends on underweight, abnormal eating behavior, and desire for thinness
野田 智美
京都大学医学部附属病院精神科神経科