臨床精神医学第51巻第12号

アルコール依存症患者に対する外来での私の工夫

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  • 齋藤 利和(札幌医科大学)
  • 発行日:2022年12月28日
  • 〈抄録〉
    治療は,まず「聞かせていただく」という態度で丁重に病歴を聴取することから始まる。飲酒問題の直面化は大切であるが,まずは直面化よりも,良好な患者との治療関係を築くことが重要である。患者が「飲酒問題を解決したい」と「飲み続けたい」との二律背反の中にいることを理解しなければならない。軽症アルコール依存症患者にとっては重篤な身体障害,精神障害の併存がない場合は飲酒量低減も治療目標になり得る。治療としてはブリーフインターベンション(簡易介入)が行われる。飲酒問題の直面化は避け「健康」などをテーマとして行われる。重症例の治療目標は断酒であるが,患者が頑なに拒否する場合は中間的な目標を減酒にすることもあり得る。断酒以外は受け入れないという態度を排すべきである。本稿ではこのほか,集団精神療法,自助グループとの連携,家族に対するアプローチと地域ネットワークの重要性と薬物療法の注意点についても述べた。

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My therapeutic approach to the patient with alcohol dependence syndrome in our outpatient clinic
齋藤 利和*1,2
*1札幌医科大学名誉教授
*2社会医療法人博友会平岸病院