臨床精神医学第51巻第12号
私が外来で行っていること─5分間診療の方法論を求めて─
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- 三宅 浩司(大内病院)
- 発行日:2022年12月28日
- 〈抄録〉
5分間診療の方法論構築を目指し重ねている工夫について報告した。デバイスを利用した外来全体のタイムマネジメントについて触れ,続いて実際の治療について扱った。限られた時間でも治療の質を維持するためには,見立てを洗練させる予習と復習が重要であり,その作業は初診時から始まる。また,外来における薬物療法と精神療法は,その時間制限もあり有機的に実践されることが望ましい。そして治療目標は,精神科医が治療者でなくなり,患者は患者でなくなることとし,長期的な薬物療法を要する場合は,医師の処方権が患者に“委譲”されていると体験されることが治療を支えると考えた。5分間診療の方法論を構築できるのは,ありふれた臨床現場にいる精神科医であると考えているが,本稿がその一助になれば幸いである。
詳細
What I do in the outpatient clinic –in search of a methodology for the 5-minute clinic–
三宅 浩司
医療法人社団大和会大内病院