臨床精神医学第51巻第9号

がん患者の不安

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  • 明智 龍男(名古屋市立大学)
  • 発行日:2022年09月28日
  • 〈抄録〉
    がんはわが国における致死的疾患の代表であり,がんと診断されること自体が,衝撃の大きな負のライフイベントである。したがって,患者の多くは強い不安や抑うつをはじめとした精神的苦痛を経験する。がん患者は,病の軌跡のあらゆる時期にさまざまな精神症状を経験しているが,中でも不安が特異的に増加するのは,治療後のサバイバーシップ,いわゆる生存へと向かうプロセスである。この時期には,多くの患者が不安や再発への恐怖を経験する。この背景には,多くのがんでは,手術や化学療法で病巣が一見取り除かれたようにみえても,微小な転移が存在している可能性が否定できず,一定期間は治癒の保証ができないという生物学的不確実性が存在する。したがって,多くのがんで5年程度は治癒したという保証は得られず,乳がんではそれが10年にも及ぶ。本稿では,がん患者にみられる不安および再発恐怖の頻度や特徴,またその評価方法やケアについて概説した。

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Anxiety among patients with cancer
明智 龍男
名古屋市立大学大学院医学研究科精神・認知・行動医学