臨床精神医学第51巻第9号

災害における不安とその対処

電子書籍のみ

  • 濱家由美子・他(東北大学)
  • 発行日:2022年09月28日
  • 〈抄録〉
    生命や生活の安全が脅かされる災害時に人々が示す反応は不安を主要な兆候として顕れることが多い。その反応は多彩で精神面・身体面・行動面の各領域にわたる変化が生じ,重篤度もさまざまであるが,この反応の適切な理解と判断のためには,精神疾患・苦痛反応・行動変化という反応の類型とそれらに影響を与える要因を把握することと,時間経過に伴う変化を考慮することが役立つ。対応時には精神医療,メンタルヘルス支援者,コミュニティなどさまざまなレベルの支援の活用が可能であり,その際,「自己決定の尊重」,「自律性の回復」という災害時メンタルヘルスの基本姿勢に則って状態改善や自然回復を促す態度が重要である。今後,精神医療-行政-コミュニティの連携を進め,適切な状態判断と対処選択を組織的に行うための体制作りが第一に求められるが,将来的には一般住民の災害メンタルヘルス意識向上を促進し,個人およびコミュニティのレジリエンスを高めることが期待される。

電子書籍のご購入

1,324円(税込)

決済方法:クレジットカード
ご購入には会員登録が必要です
電子書籍の返品はできません

カートに入れる

デモ版ご確認のお願い

初めて電子書籍をご購入される際は、事前にデモ版をご覧いただき、ご利用される環境での動作確認を行ってください。

デモ版を見る

電子書籍の閲覧にはインターネットに接続された環境が必要です。オフラインではご利用いただけません。

電子書籍の動作環境

お気に入り登録にはログインが必要

詳細

Anxiety-related symptoms, anxiety reactions, and coping strategies during disasters
濱家 由美子*1 國井 泰人*1 富田 博秋*1,2,3
*1東北大学災害科学国際研究所災害医学研究部門災害精神医学分野
*2東北大学大学院医学系研究科精神神経学分野
*3東北大学病院精神科