臨床精神医学第51巻第9号

認知症における不安

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  • 末廣 聖・他(大阪大学)
  • 発行日:2022年09月28日
  • 〈抄録〉
    認知症と不安はさまざまな点で密接に関連しており,また認知症の進行とともにそのかかわり方は変化していく。認知症発症前の段階では,中年期の不安障害の存在が認知症発症のリスクファクターの一つであることが明らかになってきている。また,特にレビー小体型認知症では不安症状が前駆症状となり得ることも知られている。認知症発症後は,どの背景疾患においても不安症状の出現頻度は高いが,その進行とともに質的な変化がみられる。発症初期の段階における不安は,その部分的に残存する病識と関連して自身の状態や将来についての心理的な反応であることが多いが,重症化していくとともに,見当識障害や理解障害から生じる不安という要素が増えてくる。また不安は精神症状や認知機能にも影響を及ぼすことが多く,介入が必要なことも多いが,その治療法は確立していない。環境調整や非薬物的治療,そして慎重な薬物療法を組み合わせていくことが重要となる。

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Anxiety and dementia
末廣 聖 池田 学
大阪大学大学院医学系研究科精神医学教室