臨床精神医学第51巻第9号
統合失調症における不安
電子書籍のみ
- 片桐 直之・他(東邦大学)
- 発行日:2022年09月28日
- 〈抄録〉
不安は誰しもが日常的に感じるものではあるが,時に当人に耐え難いほどの深刻な苦悩をもたらす。不安は主観的な自己意識の表象のうちに認識される現象であるため,これまで哲学や精神病理学などをはじめとした心理学的な視座より論じられることが多かったが,近年では生物学や社会学をはじめとしたさまざまな側面からの研究もすすみ,多彩な知見が得られるようになってきている。本稿では,主観的表象の内に次々と不安が生じる機序を生物-心理-社会的因子を包括して考察する。さらに,自己意識の基盤となるべく自我意識までもが障害される統合失調症における不安とその背景にある病的機序につき最新のエビデンスを交え記す。
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Anxiety with schizophrenia
片桐 直之 根本 隆洋
東邦大学医学部精神神経医学講座