臨床精神医学第51巻第9号

日本社会にはびこる二つの孤立不安

電子書籍のみ

  • 石田 光規(早稲田大学)
  • 発行日:2022年09月28日
  • 〈抄録〉
    本論文は,現代社会の孤立に焦点を当て,もはや社会現象にまでなった孤立と人びとの不安感とのかかわりを検討した。この数十年間で私たちのつながりに生じた最大の変化は,「ある程度自覚的に誰かとつながろうとしなければ,つながりから取り残されるようになった」ことだ。人と人とのつながりが極端にもろくなったことで,私たちは二つの不安,すなわち,「誰ともつながりができないかもしれない」不安と「いまつながっている人との関係が壊れるかもしれない」不安にさらされるようになった。この二つの不安を埋めるような形で世の中に浸透したのが,情報通信端末である。情報通信端末は,相手とのつながりの状況を確認する手段として,瞬く間に普及していった。つながりができない,あるいは,つながりが壊れるかもしれない不安におびえる私たちは,電波を介したつきあいに取り込まれたのである。

電子書籍のご購入

1,324円(税込)

決済方法:クレジットカード
ご購入には会員登録が必要です
電子書籍の返品はできません

カートに入れる

デモ版ご確認のお願い

初めて電子書籍をご購入される際は、事前にデモ版をご覧いただき、ご利用される環境での動作確認を行ってください。

デモ版を見る

電子書籍の閲覧にはインターネットに接続された環境が必要です。オフラインではご利用いただけません。

電子書籍の動作環境

お気に入り登録にはログインが必要

詳細

Two anxieties of loneliness prevailing in Japanese society
石田 光規
早稲田大学文学学術院