臨床精神医学第51巻第9号

双極性障害における不安

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  • 戸田 裕之(防衛医科大学校)
  • 発行日:2022年09月28日
  • 〈抄録〉
    気分障害に不安症状,不安障害は高率に併存するが,双極性障害はうつ病と比較してもその併存率は高い。自殺の危険性,罹病期間の長期化,治療反応性の低下などと関連するため,双極性障害における不安症状の併存を見逃さないことが重要である。不安障害の第一選択薬はSSRIなどの抗うつ薬であるが,双極性障害では躁転や気分の不安定化を惹起するため抗うつ薬の投与は推奨されていない。両者の併存例では,双極性障害の治療を優先すべきであり,双極性障害の急性期には双極性障害の治療を強化する。一方で,双極性障害が寛解もしくは部分寛解に至っているにもかかわらず,不安症状が残存している場合は,CBTやMBCTなどの精神療法を併用することを考慮する。抗うつ薬を投与する際は,十分量の非定型抗精神病薬もしくは気分安定薬を併用する。ベンゾジアゼピン系抗不安薬は,乱用,依存,病相不安定化のリスクがあり,慎重な投与が求められる。

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Management of patients with mood disorders and anxiety
戸田 裕之
防衛医科大学校精神科学講座