臨床精神医学第51巻第9号

抑うつと不安

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  • 浅見 剛・他(横浜市立大学)
  • 発行日:2022年09月28日
  • 〈抄録〉
    うつ病に不安症が合併することはしばしば経験する。また,臨床経過中に病状がうつ病症状から不安症状に変化することもしばしば観察される。大規模な疫学調査では,うつ病と不安症の合併は50~60%と見積もられており,また,約60%のうつ病においてその発症に先行して不安症が認められたと報告されている。このようにうつ病と不安症は密接な関係にあるが,共通する臨床的特徴としては,幼少時のトラウマ体験や神経症的傾向が強いことなどがあげられる。生物学的な観点からは,両疾患ともに扁桃体や海馬,帯状回,前頭葉眼窩回といった情動や認知機能に関する脳領域に構造・機能的な異常が存在していると考えられている。近年の大規模なゲノムワイド関連解析においても,両疾患が高い遺伝的相関を有することが報告されている。生物学的・臨床的共通性をふまえ,うつ病診療では常に不安症の存在を考慮したアプローチをしなくてはならないと思われる。

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Depression and anxiety disorders
浅見 剛 須田 顕 菱本 明豊
横浜市立大学大学院医学研究科精神医学部門