臨床精神医学第51巻第4号
衝動制御症群,秩序破壊的または非社会的行動障害群,作為症群
電子書籍のみ
- 榎戸 芙佐子(谷野呉山病院)
- 発行日:2022年04月28日
- 〈抄録〉
ICD-11は2019年WHO世界保健総会で採択され2022年に発効する。日本精神神経学会は,学会誌でICD-11「精神,行動,神経発達の疾患」分類と病名の解説をシリーズで発表しているので,診断要件や付加的特徴はそちらを参照されたい。本稿では,ICD-11 の衝動制御症群,秩序破壊的または非社会的行動障害群,作為症群に含まれる疾患について,ICD-10およびDSM-5との比較を行い,疾患分類の変更があった間欠爆発症,強迫的性行動症,作為症を解説する。ICD-11は診断分類の構造が電子環境での活用を前提としたシステムになっており,疾患概念を含めた情報体系へと進化していくことが期待される。精神科医療は多職種間の連携と協働で成り立っており,疾患概念にも人権への配慮が求められる。ICD-11はこうした要請にいくらかでも応えられたのではないだろうか。
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Impulse control disorders, disruptive behavior or dissocial disorders, factitious disorders
榎戸 芙佐子
医療法人社団和敬会谷野呉山病院