臨床精神医学第51巻第4号

ICD-11における不安または恐怖関連症群―ICD-10,DSM-5との相違点―

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  • 須藤 佑輔・他(千葉大学)
  • 発行日:2022年04月28日
  • 〈抄録〉
    ICD-11の「不安または恐怖関連症群」は,ICD-10の「神経症性障害,ストレス関連障害および身体表現性障害」から大きな変更となった。この背景にはコーディング体系の変更,新たな知見の蓄積,神経症概念の衰退等がある。疾患の「説明:Description」もリファインされ,広場恐怖症,限局性恐怖症において回避が必須とされなくなるなど,疾患概念は拡充された。また,全般性不安症に対するうつ病やほかの不安・恐怖関連症の優先がなくなり,全般性不安症とうつ病,パニック症,強迫症等の合併診断が可能になった。さらに二次的に生じるパニック発作を「パニック発作を伴う」という修飾語で示すことや,分離不安症,場面緘黙の診断を成人に下すことも可能となった。ICD-11とDSM-5の不安症群は疾患分類においてほぼ同等だが,ICD-11では症状の期間や数に厳格なカットオフ値が定められていない分,幅を持たせた診断が可能である。

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詳細

Anxiety or fear-related disorders in ICD-11 -Comparison of ICD-10 and DSM-5-
須藤 佑輔*1,2 清水 栄司*1,3,4
*1千葉大学大学院医学研究院認知行動生理学
*2千葉大学医学部附属病院精神神経科
*3千葉大学医学部附属病院認知行動療法センター
*4千葉大学子どものこころの発達教育研究センター