臨床精神医学第51巻第4号

物質使用症(障害)群または嗜癖行動症(障害)群

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  • 宮田 久嗣・他(東京慈恵会医科大学)
  • 発行日:2022年04月28日
  • 〈抄録〉
    本稿では,ICD-11における物質使用症(障害)群(Disorders due to substance use)と嗜癖行動症(障害)群(Disorders due to addictive behaviours)を紹介する。前者は,精神作用物質による疾病群で,後者は嗜癖行動(ギャンブル,ゲーム)による疾病群である。いうまでもなく,行動嗜癖が本疾病分類に加えられたことがICD-10からの最大の変更点であると同時に,ゲーム症が行動嗜癖に加えられた点でDSM-5とも異なる。その背景には,行動嗜癖に関するさまざまなエビデンスが集積されてきたことが関係している。物質依存の概念に関しては,ICD-11では従来の依存の診断概念を踏襲したオーソドックスなものとなっている。一方で,有害な物質使用のエピソードと危険な物質使用が加えられたことや,対象となる精神作用物質の種類がICD-10の9種類から14種類に増えたこと,さらに,他の物質のカテゴリーにおいて,蛋白同化ステロイド,抗うつ薬,抗コリン薬などの医薬品を含む精神作用物質や,下剤,成長ホルモン,エリスロポエチンなどの精神作用のない物質が加えられたことで,ICD-10と比較して臨床の実情に対応したものになっている。

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Disorders due to substance use or addictive behaviours
宮田 久嗣 山田 理沙
東京慈恵会医科大学精神医学講座