臨床精神医学第50巻第8号
小児疾患の緩和ケア
電子書籍のみ
- 古賀 文佳・他(神奈川県立こども医療センター)
- 発行日:2021年08月28日
- 〈抄録〉
神奈川県立こども医療センター緩和ケアサポートチーム(Palliative Care support Team:以下PCTとする)は当センターで診療を受けるすべての患者とその家族を対象に,あらゆる苦痛の緩和に寄与することを目的に活動している。生命が制限されている子どもの緩和ケアにおいては,身体的不調が増す中でも,子どもの心身の状態や発達段階などに適した対応を行うことで,子どもが遊び・学びながら成長し続けるよう支援することが重要である。またその過程で子どもが医療者を信頼できるようになれば,終末期にむけての適切な意思決定支援が可能になる。PCTが患者と家族のケアを継続的に行う場合には,患者に関わる院内外の関係者をつなぐ役割も担うことで,患者に安定した長期的なケアを提供することができる。PCTの精神科医には患者・家族との関係構築を優先した関わりを柔軟に行う姿勢や,患者の見立てを分かりやすく多職種に伝えたうえで適切な対応方法を共に検討する姿勢が求められる。
詳細
Palliative care for pediatric diseases
古賀 文佳*1 庄 紀子*2
*1地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立こども医療センター看護局外来看護科,緩和ケア普及室(兼務)
*2地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立こども医療センター児童思春期精神科